「ハーモニックD手法」とは一体何か──無裁量の環境認識特化型トレード

今回は少し雑記的な記事となります。
・・・というのも、WEBサイトを新しくしてからというもの、なぜかアクセスが増えました。

その結果、これまで接点の無かった方々から、
「大神の手法やトレード思考を知った」「考察ページのトレード内容について聞きたい」
といったメッセージをいくつかいただくようになりました。

個別に同じ内容を返信するよりも、ここで改めて大神のFXトレード手法とその思考について整理しておこうと思います。

可変式ハーモニックD手法によるD点からD点への環境認識モデル

無裁量を前提とした環境認識特化型トレード

私が現在運用しているのは、可変式ハーモニックD手法補完性ルート理論の2つです。

シンプルな環境認識のもと、現在地のDを把握し、目的地のDを目指す。
それが可変式ハーモニックD手法。

そして、値が必ず通過する“道筋”にポジションを置いていく──
それが補完性ルート理論です。

無論、両手法はそれ単体でも充分な成果をあげる事ができますが、特に面白いのはその内部構造で、異なる分析工程を持ちながらも本質的な性質を共有しているのです。
ハーモニックD手法が「DからDへ」と線で相場を捉えるのに対し、
ルート理論は「点と点」を対応させる形で相場を補完する役割を持っています。

多層的分析から導かれた「シンプル」

以前は・・・と言っても随分前(10年以上前)になりますが、私もFX探求の初期段階ではインジケーター群を駆使した多角的分析によってトレード理論を構築していました。

それらが無駄だったわけではありません。
多くの理論手法手段を検証し、利点と限界を体感したからこそ今のトレードがあるわけですが、結局は何を使おうとも同じなんですよ。
チャートのどこを狙うか(狙えるか)なんて限られてるってことです。

それならシンプルである方がいいですよね?

そして出来るだけ自分の思考を介さず、かつオートメーション的に次の工程が決まっていく構造が望ましい。
それが今の私の手法である、というだけの事です。

3波と環境認識──ハーモニックD手法の優位性

このサイトのトレード考察を見れば、どれも似た構造であることに気づくと思います。
それは意図的なもの・・・というよりもそうなって当たり前です。
だって狙っている優位性はいつも同じなのだから、どれも似たような構造になって当然ですよね。

これを見ると、もしかすると「こんなのエリオット波動3波でエントリーしてるだけじゃないか」と感じる人もいると思います。

しかし、ハーモニックパターンと異なり、
エリオット波動論は“最初の1波”を定義していない──(※)
これが構造的な欠陥(理論破綻)なのです。
(※)エリオット波動論の提唱者であるエリオット氏は第1波を定義していない

私の手法では、俗に言う3波(目的地)にあたる発進地点をローソク足のみで判断します。
しかも、プライスアクションや三尊、フラッグなどの曖昧な基準ではなく、完全無裁量・機械的ルールに基づいて判断します。
これにより主観ゼロでのトレードが可能となり、このようなシンプルな思考だけでも確実な成果を得ています。

ハーモニック分析を用いた「現在地の把握」は最終的に「確定された目的地」に直結します。
最初のシンプルな環境認識もすなわち利益構造そのものなのです。

その時その瞬間の明確な目線を定義できる環境認識があり、チャートの現在地を把握する術があり、縦の価格/横の時間に添って利益までの道がある。
恐らく小手先だけの手法やサインに頼り、本質に気付けていない方は非常に勿体ないことなのですが、「3波でエントリーしているな」というポイントだけに捉われてしまっているように思います。

無裁量3波の発生を示すハーモニックD構造の可変的動き

3波トレードの再現性と優位性

FXトレードを行っている方のほとんどが3波なりトレンドフォローなりを強く意識してテクニカル分析を行っていると思います。
ただその中で実際に3波を正確に捉える事が出来ている方はどれくらいの割合でしょうか?
少なくとも自信をもってこれが3波であり、ここでトレードすべきだと確信してトレードできている人はほんの一握りであると思います。

私は自分のトレードを「エリオット3波でエントリーしているだけでは?」と言われたとしても、「まさしくその通りですよ」と答えられます。
なぜなら、それが3波たりうる条件を明確に定義できているからです。(すべて言語化可能ということ)
まあ実際今までににそんなメールやメッセージをいただいた事は無いのですが、アクセス数が増えて、それに伴って講義依頼を断る方も増えてくるとそんなメッセージもいただく事があるかもしれません。
しかし私にとっての3波とは、迷いなく認識された1波から継承された確定的構造としての3波である事から、どのような批判や意見をいただこうと意に介す必要が無いというのが本音のところです。

“商材的シンプル”では辿り着けない場所

巷に転がる手法という名を騙ったFX商材は、とにかく批判を嫌います。
本当にその手法で勝てるのなら批判など放っておけばいいはずなんですがね・・・

私が思うに、FXに限らず、個人の探求や発信は、**“理解できる人にだけ届けばいい”**ものだと思います。

共鳴できる人に届けばそれで十分。

どうしようもないもの(偽物)は自然淘汰されるし、私は私の理論手法の感覚を共有できる人とだけ分かち合いたいものです。

手法を探す段階にある方へ


私は「確定できる3波」にこだわります。順張り逆張りで分類するならば順張りですね。

形骸的な手法(戦略)の主軸は順張りでも逆張りでも構いません。
結局のところ、その逆張りもどこかの順張りであり、順張りもどこかの時間軸の逆張りになるのですから。
これはまた近いうちに分かりやすい記事にして掲載しようと思います。

まずは順張りでも逆張りでも、その場面に優位性がある、と感じられる何かを見つけた時点で徹底的に掘り下げてください。
それこそ、そのポイントだけに到達する様に手法を構築します。

その際に大切なのは徹底した不確定要素の排除。
出来るところはすべて0か1での判断、2択に絞っていくといいでしょう。

私の手法は

シンプルな環境認識で、現在地のDを把握し、目的地のDを目指すトレード

なのですが、複雑からシンプルに収束していって今のトレードがあります。

最初からシンプルなものなんてただの石ころ。ひとかけらも優位性は備わっていません。
相場の本質はシンプルとかいう商材屋がいますが、そんなわけない。
時間と探求をかけて到達したシンプルな理論にこそ優位性が宿ります。

・・・ここまで長くなる予定では無かったのですが、戯言にお付き合いいただきありがとうございました。
コーヒーをどうぞ。

無裁量FXにおける環境認識と3波構造を象徴するハーモニックD手法のチャート構図