推進D波動 二つの前提 構造規則

相場の構造を定義する

前回は推進D波動トレードの重要な前提の内の一つ、導線化を話しました。

ローソク足の導線化とはチャートの道を作る事。
そして道の作り方は用途によって二種類に分かれている事。
導線化というのはローソク足を繋ぎ合わせ道を作る役割です。

では構造規則というのはどのような役割を持っているのか。なぜ必要なのか。

ローソク足による環境認識で勝てるFX手法のマンツーマン指導

導線は道、構造規則は目的地までの情報

皆さんは誰かに現在地と目的地を伝える時ってどのように地図を描きますか?

エントリーから決済まで環境認識を通じたチャートの地図の書き方とは

このように道だけを書く、という人はいないと思います。
一本道ならこれでもいいのですが、それなら地図なんて書く必要はありませんよね。

まずは現在地、そして目的地までの目安となる建物、交差点、信号等のランドマーク。

チャートの環境認識である地図をシンプルに描けるかどうか

こんな風に描くはずです。

導線は道、構造規則は情報です。
この2つを規則に従ってチャートに描き出し繋げたもの、それがチャートの目的地と現在地を現わす地図となります。
導線も構造規則も一切の裁量要素は排除しており、導線という道を描いたチャートを構造規則で定義します。

大神はチャートの構造規則を8つに分類しています。
これによりチャートのどこを見ても、今チャートはどこにいるのか、現在地はどこにあるのか、を常時把握できるという事です。
チャートの現在地はチャートの右端であるため、単純な現在地の把握(その時の価格や目だけで見える位置)は一見すると当たり前のように思えるかもしれません。

大切な事はその現在地の意味です。

全ての理論手法において最も大切で明確化しなければならない事項にも関わらず、これに言及できていない理論手法が意外に多いと思います。

ダウ理論やエリオット波動論による環境認識の破綻

チャートの構造規則を構成する必須条件

現在地把握をシンプルにできるかどうか、構造規則はこの一点です。

地図にある道の構造ってある程度限られていますよね。
ランドマークは統一して見るとして、右折、左折、交差点、T字路など、いずれにしてもそれほど多くないはずです。

それをチャートにおいては例えばABCDのトレンドフォロー構造なのか、収縮、拡張、あるいは収縮の収縮や拡張の拡張など、チャートを構成している根本的なものに置き換えて目を向けます。
ダブルトップやフラッグといった定義に乏しい曖昧なチャートパターンは構造規則に採用しない方がいいと思いますが(現在地の分析把握が面倒になるため)ではダウ理論やエリオット波動論といった有名な理論手法ならばどうか?

これは一言で述べるなら、ダウ理論もエリオット波動論も残念ながら「 ただの言葉 」に過ぎません
構造規則を定義するにあたっての現在地の把握、それを言語化するための言葉としての役割しか持てないのです。

例えば推進D波動トレードならば、

「現在地はエリオット波動論でいう4波になります」

このように言うとエリオット波動論を学んだ方はわかりやすいですよね。

ですがただそれだけです。

導線や構造規則など、私の推進D波動トレードの講義には一般の方には馴染みのない言葉も出てきます。
そんな時にダウ理論やエリオット波動論といったFXにおける有名理論に沿った言語で講義すると受講者さんとの意識の共有も容易となります。
要するに現在地を言語化するためだけに活用するものとなります。

少し話が逸れますが、ダウ理論やエリオット波動論、こういった理論手法単体では決して資金増加にまで至る事は無い、と断言しておきましょう。
これらの理論手法は部分的には確かに相場に対する優位性があるのですが、チャートを分析するという行動に対して致命的に欠けている点があります。

絶対と言える基準が無い

その辺のダウ理論の商材やエリオットで勝てると宣言するyoutuberなどが勝手な基準を定義したものではなく、ダウ理論提唱者のダウ氏やエリオット波動論のエリオット氏自身が定義付け出来ていないのです。

例を出すならエリオット波動論の1波って何をもって1波とするのでしょうか?
エリオット波動論における1波はこれです!という揺るぎない基準をエリオット氏は定義していません。

ダウ理論やエリオット波動論には相場の傾きを捉えるための部分的な優位性は備わっていますが、「構造規則」という絶対の定義が必要とされるものの前では単なる言語化ツールでしかないわけです。

現在地把握の重要性


相場は今どこにいるのか、まずはこの把握に努めてください。
そうするとその先が見えてきます。

全く見知らぬ土地から自宅に帰るミッションがあったとします。支給されるのは地図一つ。
支給された地図上で今自分がいる位置がわかっているのと、自分のいる位置がわかっていないのでは、このミッション達成の難易度に雲泥の差がある事は想像できますよね。

少なくともこれまでの教えてきた中で、チャートの現在地把握を心得ていた受講者さんは数えるほどしかいません。
もちろんそこらの商材屋さんはこんな事に気付いてすらいません。

大神のサイトを読んでいるFX経験の浅い初心者の方、もしくは現状のトレードに行き詰まっている方は、まずはチャート上の導線をどう描くか、構造規則をどう見るか、これを環境認識として構築していくとかなりの近道になると思います。

今回は推進D波動トレードの前提としての概要を述べるに留めますが、いずれ構造規則を掘り下げたページも作成しようと思います。

お疲れ様でした。コーヒーをどうぞ。

相場の環境を認識する力を高める手法には絶対のルールと定義が存在している