可変式ハーモニックDvine:PRLピボット

PRLピボット概要

※本記事は一部講義受講者向けの記事となります

可変式ハーモニックDvineは現在発見活用されている一般的なハーモニックパターン(ガートレー/バタフライ等)の枠を飛び越えたパターンと言えます。FXチャート分析の一つであるハーモニックパターンに存在する各種の制約、相場分析において決定的に足りない情報を可変式ハーモニックDvineは兼ね備えています。

BCDをXAに内包したバットパターンクラブバタフライはADにXBCが内包されている、といったように単体のハーモニックパターンにおいてはその定義された形状ごとにPRZ(ポテンシャルリバーサルゾーン)が存在していますが、ハーモニックDvineは本来のハーモニックパターンのDをCに置き換えたトレンドを構造規則に当てはめて次のD´にあたるDを絶対的ラインに添えているため、一般的なハーモニックパターンのXABCDの内ABCDをABに導線化し、あくまでも推進波動を狙う事に特化したラインとしてチャート内に描写する事になります。

それではハーモニックDをトレードとして扱う我々のDラインにピボットを付加すると一体何が起こるのか?
観察すべき興味深い要因の一つとして見ていただこうと思います。
ピボットと名付けてはいますが、正確には「ピボット」とは全く性質の違うものであり、計算式も共通する部分はありません。
サポート/レジスタンスとしてチャートに存在する潜在的なラインという性質がピボットに酷似している事からハーモニックDvineにおけるピボットと称しているものです。

FXのハーモニックパターン手法を利用したピボット算出

ポテンシャルリバーサルライン

まず「ピボット」の前に付記している「PRL」とは何か。
通常ハーモニックパターンの反転エリアはあくまでも「ゾーン」で認識され、

PRZ(ポテンシャルリバーサルゾーン)=潜在的な反転エリア

として帯や範囲で表示されるものです。

しかしハーモニックDvineにおいてはゾーン(価格帯)ではなくライン(一点の価格)であり、ここからここまでの価格で反転する、ではなくこの価格で反転する、という超高精度な分析ラインとなります。

無裁量FX派生計算式-ハーモニックピボット事例01

上下にある赤点線の水平線は単純にハーモニックDvineの高値安値です。
そしてDvineの内部に描写されている白点線水平線がPRLピボットとなります。
PRLピボットは常に3本形成され、ハーモニックDvineの構造規則によりその位置が変化します。

FXチャート上に描写したラインやフィボナッチはいつまで効力があるのか?いつ消せばいいのか

いつ出現し、いつ消滅するのか

もともと相場に無いものを描写する時には必ずやらなければならない、考えておかなければならない事が一つあります。
それは、描写するものを「いつ出していつ仕舞うのか」です。

どれほど有用なラインであっても、いつ出すか定義されていなければ、使いどころが分かりません。
そしていつ仕舞うのか定義されていなければ、無限にチャートに描写された残置物が残り続ける事になります。
そのため、何かをチャートに置くのであれば、その出し入れを明確に定義しておく必要があるわけです。

PRLピボットはいつ描く事ができるのか。

それはDvine形成後「即時」となります。
先のチャートのハーモニックDを例にするとピンク垂直線で出現となります。

無裁量FX派生計算式-ハーモニックピボット事例02

そしてその効果範囲は上下の赤点線水平線、つまりハーモニックDが目的地のDに達した時点で役目を終え、片付ける(消去する)となります。

無裁量FX派生計算式-ハーモニックピボット事例-描写から消去まで03

その描写規則と活用実例は下記受講者向けページにて解説しています。
可変式ハーモニック手法を用いた一つの発展的思考として貴方のトレードレベル向上の一助となれば幸いです。

相場に何かを付け加える時


以下、受講者さんへ向けて

受講者向けページにおいてPRLピボットの描写規則を解説していきますが、覚えておいてほしいのは決してそれ単体では使用しない事。

どれほど有用で反応の強い描写物であったとしても、所詮は人間が描写したものです。
PRLピボットにタッチした!よし!ポジション追加だ!
相場はこちらの読みを簡単に裏切り、想定外の動きを繰り返してきます。

しかしPRLピボットも単体活用ではなく、導線および構造規則を中心とした一貫性とマルチタイムフレーム分析、これさえ見失わずに規則に準じたトレード判断の元で使用すれば、その優位性を最大限に享受する事になり、相場に呑まれる事などまずありえません。
それほど強力でそこに至る価格は必ず限定的な反応を示す描写物であるという事です。

私の無裁量FX理論における絶対的なラインとして、ハーモニックDvineが構成するDlineがあります。
これは現在地からオンラインとなった推進のDであり目的のDでもあるのですが、PRLピボットは主にその先の情報を可視化する事を目的として活用します。
Dlineは直近導線のXABC、その算出の過程からPRLピボットより正確性においては勝ると言えます。
しかしその推進波動が出た瞬間のDvineから取り出す事ができるPRLピボットは最速最短で描写できるという強みがあり、尚且つDvine解除までは常時使用できるという特徴を持っています。

両ラインともに導線の始点とその折り返しから発生した推進波/調整波から抽出されるものではありますが、Dvineが形成されて完成する以前の予測であるDlineとDvine完成後の全ての推進波および調整波から抽出されるPRLピボットではそもそもの性質も役割も違うものである、という事は理解しておいてください。

私達は新しい発見から更なる優位性を得て、前だけを見て走り続けるだけです。
停滞している他のトレーダー達を横目に見ながら・・・。

まずは一息、コーヒーをどうぞ。

無裁量FX手法におけるハーモニック分析ラインとピボットラインの取り扱い方法