ダウ理論はツールではなく基準である
今回はいまやFXに限らず「チャート」による分析ができるものであれば「常識」となっているダウ理論とマルチタイムフレーム分析(MTF分析)について書いていこうと思います。
超有名理論であるダウ理論そのものについては国内外問わず多くの書籍も出版されています。
語り尽くされた感もある一方、もはや神格化されている節も多々見られます。
確かにダウ理論は有益な理論です。
しかし、その有益な側面はあくまで全体の一部分であると言えます。
神格化されたダウ理論の誤解
「ダウ理論だけで勝てる」という執着や幻想は最初から手放しておくことをお勧めします。
まぁ100年前の理論ですからね・・・そりゃ現代チャートに重ねるには無理も生じるはずです。
「ダウ理論の基準の一部は機能する」という見解は大神もその通りだと思います。
でもそれだけじゃ決定的に足りない部分がある。
ダウ理論は一部の優位性を切り取るだけではなく、重要な付け足しを載せた上でマルチタイムフレーム分析とセットで運用する必要がある。
今回はそのダウ理論をマルチタイムフレーム分析で有効化するための話。
(書いている内に長くなったので二部構成・今回は前編となります)

ダウ理論で必ず認識しなければならないもの
それは「 波 」です。
もっと細かく言うなら波の始まりと終わり、起点と終点。
これを認識しない限りダウ理論は正確な基準と成りえない。
その波はどこで始まってどこで終えているのか。
どこかの起点はどこかの終点であり、どこかの終点はどこかの起点になります。
なぜかと言うと、その波の終点は必ず次の波の起点となるからですね。
となると、その波には必ず傾きが生じているはずです。
この世に経済活動がある以上、チャートが0.1pipsすら動くことなく、まったく同じレートで推移する事などないのだから。
だから起点と終点を正確な基準で観測する事が、環境認識には必要不可欠なわけです。
起点と終点を無裁量の基準で観測する
もし、今見ているチャートとまったく同じ状況に遭遇したとしても、同一の基準で同一の判断を100%行う事ができる。
これが「再現性がある」という事であり、まずはこの基準を満たす見方でチャートの波を観測します。
大神の場合はこれを「チャートの導線」という独自の規則で定義していますが、何か簡単な基準でも構いません。
その基準で一度ダウ理論をチャートに当てはめてみてください。
そうすると、ダウ理論の定義の多くが機能していない、と感じられると思います。
しかしそれはダウ理論が機能していないわけではなく、機能するように使えていないだけなのです。
ダウ理論をマルチタイムで見る意味
ダウ理論は一つの時間足で見ても機能しません。
ダウ理論の定義を正確な波をもって観測し、それを有効化するにはマルチタイムで見る必要があります。
なぜか。
これはもう先に答えを書いています。
「 波の起点と終点はイコールである 」からですね。
波と波は起点と終点を必ず共有している。
起点だけで存在する波は、現行の波だけです。
それ以外の波はすべて、隣り合う波と起点と終点を必ず共有しています。(何十年前に始まったその通貨ペアの最初の1波を除き)
構造規則から見る相場の環境認識
チャート上で波が形成できる構造は4つしかありません。
例えば、その波が一つ前のトレンドの波の起点を割ったのであれば、ダウ理論においてはトレンドが崩れたという場面になります。

この基準で見ると例えばその後こうなろうと

その後さらにこんな状態になろうとも同じです。

どうなったとしても、どこかの波の起点であり終点であるという事実は変わらない。
私の受講者さんならわかると思いますが、結局どこも待つものは同じで、見て待って入る、それだけですね。
エリオット波動論3波との違い
たまにハーモニックD手法をエリオット波動の3波を取るイメージで受講される方もおられるのですが、大神は3波の優位性を重視していません。(というより3波の優位性を考慮する意味がない)
エリオット波動論はダウ理論とは違い、その理論を成立するための決定的な定義がごっそり欠落しているからです。
話が逸れてしまいそうなので戻しますが、上の図のどこで利を抜くか、どこを現在地と見てどこを目的地とするか。
こういった視点で見ると、本来の意味でのダウ理論の有効化も見えてくると思います。

ダウ理論をマルチタイムフレームで見るという事
今回の話をまとめると、
・チャートに起点と終点を有する波を形成する
・その波は起点と終点を共有しながら繋がっている
これをマルチタイムフレームで見ると、その時間軸で見る波の集合体は必ずどこかの時間軸の波の起点と終点を構成している事が分かります。
これが理解できたなら、次に見るべきはその波の方向。
現行時間軸の波はどの時間軸が味方についているのか、それとも流れに逆らっているのか。
形成中の波は推進波か、調整波か。
こうした環境認識が驚くほどスムーズに進みます。
大局から局所へと視点が絞り込まれる、その先にあるのがエントリーというわけです。
次回:チャートは波
今回で大枠は理解いただけたと思いますが、少なくともその判断基準となる波の重要性は感じていただけたと思います。
ブレない基準で判断できる起点と終点を有する波。
次回はこの根幹となる波の基準について、大神の導線の話も含め少し突っ込んだ記事を書いてみようと思います。
お読みいただきありがとうございました。
コーヒーをどうぞ。

